こんにちは。コーチの大津です。
スペイン遠征中に、テニスコートで車椅子テニスの選手に会い、色々と話を聞くことができした。
まずは、皆さんも知っている車椅子テニスについてです。
車椅子テニスは、障がいを持つ選手が参加する競技の一つで、健常者のテニスとほぼ同じルールでプレイされますが、いくつかの重要な違いがあります。このスポーツは、障がい者スポーツの中でも特に人気が高く、世界中でプロツアーが開催されています。
ルールの概要
車椅子テニスのルールは、基本的に通常のテニスと同じですが、大きな違いが一つあります。それは、車椅子テニスではボールが2バウンドすることが許されている点です。この「ツーバウンドルール」により、選手はボールを追いかけるための余裕が生まれます。ただし、2バウンド目がアウトになるとポイントを失います。
クラス分類
車椅子テニスは、選手の障がいの程度に応じて、以下の2つのクラスに分類されます:
- オープンクラス:下半身に障がいを持つ選手が対象で、最も一般的なクラスです。
- クアッドクラス:四肢すべてに障がいを持つ選手が対象で、より高度なサポートが必要なクラスです。
用具と装備
車椅子テニスでは、特別に設計された車椅子が使用されます。これらの車椅子は軽量で、俊敏な動きが可能なように設計されており、選手が迅速にコート内を移動できるようになっています。車椅子は通常、前輪が小さく、後輪が大きく、傾斜がついているのが特徴です。
大会とプロツアー
車椅子テニスは、国際テニス連盟(ITF)の主催するプロツアーが存在し、グランドスラム大会やパラリンピックでも公式競技として実施されています。最も有名な大会には、ウィンブルドン、全米オープン、全豪オープン、全仏オープンがあり、これらの大会では世界中のトップ選手が集まり、タイトルを競います。
パラリンピックでの地位
車椅子テニスは、1992年のバルセロナ大会からパラリンピックの公式競技として採用されました。以来、この競技はパラリンピックの主要種目の一つとなっており、観客やメディアからの注目度も高いです。特に、パラリンピックにおいては、選手の技術と精神力が強く評価され、障がいを持つ人々に大きなインスピレーションを与えています。
著名な選手
車椅子テニス界には、多くの著名な選手がいます。オランダのエステル・フェルヘールは、女子車椅子テニスのレジェンドとして知られ、パラリンピックで数々の金メダルを獲得しています。また、オーストラリアのディラン・オルコットや日本の国枝慎吾も、男子車椅子テニスで数々の偉業を達成してきました。
車椅子テニスは、障がいを持つ人々にスポーツの魅力を広めると同時に、健常者にもそのスリリングなプレイを楽しませることができるスポーツです。選手たちの情熱と技術は、どの試合でも観客を魅了し続けています。
車いすテニスのスター、ニールス・ヴィンクは、パリ2024パラリンピックでの金メダル獲得に向けて期待が高まっています。ヴィンクは、2020年の東京大会で2つのメダルを獲得し、今年のウィンブルドンではシングルスで優勝するなど、好調を維持しています。しかし、怪我やコーチの健康問題に悩まされる中での勝利だったため、特に感慨深いものでした。
彼のコーチであるハンス=ユルゲン・ストリークは、2023年のITF車いすテニスコーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれましたが、健康問題に直面していました。それでも、ヴィンクはウィンブルドンでの優勝をコーチに捧げ、彼の存在が大きな励みとなったと語っています。
ヴィンクはパリでの試合にも自信を持って臨んでいますが、試合後の祝賀についても注目が集まっています。彼は「お祭り好き」で、勝利を祝う際にはバーの上でマイクを持って歌うことを楽しんでいるとのことです。パリの街は、彼の活躍とその後の大規模な祝賀会を心待ちにしており、金メダル獲得への期待が高まっています。