【Play & Stay】欧米でパデル、全米でピックルが流行している理由

テニスダイアリー

2025.07.01

こんにちは。コーチの大津です。Play & Stayを調べる上で、Play & Stayが流行っている地域はピックルボールは流行らず、変わらないシステムを使っているところはピックルボールが流行っている傾向があると考えています。

調べてみました。

🔷 なぜパデルはヨーロッパで流行ったのか?

1. スペインからの発祥と拡大

  • パデルは1970年代にメキシコで誕生し、その後スペインへ伝わりました。

  • 特にスペインではプロモーションが上手くいき、短期間で人気スポーツに成長。

  • 現在ではスペイン国内のテニスクラブの多くにパデルコートが併設されているほど。

2. 敷地が狭くてOK(都市部向け)

  • ヨーロッパは都市部に人口が集中しており、限られたスペースでもコートを設置しやすいパデルは相性が良い。

  • 1面のサイズはテニスの半分以下。

3. 社交的な文化にマッチ

  • ヨーロッパでは友人や家族と楽しむスポーツが好まれる傾向があり、パデルはダブルス限定という形式が人気を後押し。


🔶 なぜピックルボールはアメリカで流行ったのか?

1. シニア層に優しいスポーツ

  • ピックルボールはもともと60歳以上の人でもできるスポーツとして人気に。

  • 高齢化社会にマッチし、「退職後の楽しみ」として爆発的に広がる。

2. 既存の施設が活用できた

  • テニスやバスケットコートをそのまま転用できる(サイズが小さい)。

  • 学校や公園、コミュニティセンターでの導入が容易。

3. アメリカ的な「草の根スポーツ」文化

  • アメリカではボランティアと地域住民主導でスポーツが広まる文化があり、

  • ピックルボールも最初は地元のクラブからスタートし、SNSや口コミで爆発的に普及

 


✅ 背景にある2つのスポーツ文化モデル

モデル特徴対応する地域普及したスポーツ
教育・制度モデル(Play & Stay型)発達段階に合わせて段階的指導を行う。協会主導、全国一律の育成システム。イギリス、スペイン、北欧などヨーロッパ諸国テニス(Play & Stay)/パデル
自由・市場モデル(アメリカ型)民間主導。自由参加・自由選択。うまくいかなければ別のスポーツに人が流れる。アメリカ、カナダなどピックルボール

🔍 その構造的理由を詳しく見ると:

① Play & Stayが普及している地域では「テニス離脱者」が少ない

  • Red/Orange/Greenのステージごとに適切な用具・ルール・試合環境が整っている。

  • 子どもや初心者が「楽しい・できる・勝てる」を経験しながらテニスを続けやすい。

  • 別のラケットスポーツ(例:ピックルボール)に流れにくい。

📍 例:スペインやイギリスではU10の大会がRed Ballで全国規模に行われ、プレーヤーの離脱率が低い


② 「変わらないシステム」の地域では初心者の脱落が多い

  • 大人と同じコート・ラケット・ボールで無理にやらせる。

  • 初心者は「できない」「楽しくない」「試合にならない」と感じて離れる。

  • より簡単で楽しいスポーツ(ピックルボールなど)へ流れる構造。

📍 例:アメリカの一部州や日本など、従来の形式的なテニス指導が続く地域ではピックルボールの爆発的普及が見られる。


③ ピックルボールは「失敗したテニス導入」を埋める受け皿になっている

  • 「テニスに入りにくい」「ラリーが続かない」「上達まで時間がかかる」→ 離脱

  • ピックルボールは「簡単・すぐ楽しい・仲間とできる」→ 再エンゲージメント成功

💡 ピックルボールは“テニスの教育的失敗”をつかんで大きくなったスポーツとも言える


🧭 この傾向を実証的に整理すると:

地域Play & Stay 導入ピックルボール流行備考
🇬🇧 イギリス◎(LTA主導で全国展開)△(一部で増加)Red Ball大会あり。ピックルボールは高齢者中心。
🇪🇸 スペイン◎(プロ育成と連動)×(パデルが主流)幼少期からテニス・パデル導入済。ピックルボール不要。
🇺🇸 アメリカ△(地域差が大)◎(全国で爆発的)テニスの離脱者多数 → ピックルボールに流れる構造。
🇯🇵 日本△(導入限定的)△(地方で少しずつ増加)テニス教育が伝統型中心。高齢者スポーツとして成長中。

テニスコーチとしては、テニスの離脱者を減らして、テニスの人口を増やして行く必要があるかと思います。

そのためにも、正しいPlay & Stayを普及できることが必要だと感じました。

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テニスコーチを始めて8年間、お客様のテニスの上達のサポートをしてきました。今までの経験から得た知識を皆さんに伝えることができるように頑張ります。 新しく始める方から競技者の方まで一緒に挑戦していきましょう。
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