ヨーロッパとアジアのジュニア選手の違い

テニスダイアリー

2025.08.12

こんにちは。コーチの大津です。

スペインで試合を見てきて、日本のtop選手が試合に臨みましたが、ほとんどの選手が2回戦で負けてしまいました。

私から見て、大きく違いと感じたことがあります。

 

 環境が“試合ファースト”

  • 大会の数とレベルが高い
    ほぼ毎週のように国内や近隣国で国際レベルの大会があり、試合経験を積みやすい。移動時間も短く、国境を越えても車で数時間。

  • サーフェスの多様さ
    クレー、ハード、芝と多様なコートで育つため、戦術適応力が早くから鍛えられる。特にクレーはラリーが長く、忍耐力・戦術力・フィジカルが自然に身につく。


 指導方法が“長期育成型”

  • Play & Stay や ITF推奨の年齢別カリキュラム
    小さいころは勝ち負けよりもフォーム・戦術理解・体の使い方に重点。11〜14歳くらいから試合結果を重視し始める。

  • フォームとフィジカルをセットで育てる
    12歳から本格的な筋トレではなく、動きの質や体幹・バランス能力の強化に時間をかける。

  • 選手主体の戦術理解
    「こう打て」ではなく、「なぜその戦術を選ぶのか」を子ども自身が考えるように指導する。

 

 経済・制度面のサポート

  • 国や自治体の育成プログラム
    フランス、スペイン、イタリアなどはナショナルセンターや地域アカデミーが充実。才能があれば低コストで強化を受けられる。

  • アカデミー文化
    モナコ、スペイン、フランスなどに世界的アカデミーがあり、国内外の選手が集まり、切磋琢磨できる。


 精神面の鍛え方

  • クレーでの忍耐力と逆境対応
    ラリーが長い分、「1ポイントの重み」「戦略の修正力」「自分との戦い方」が自然に養われる。

  • “負け”が成長の一部という文化
    負けを恥とせず、次の試合までに改善する姿勢が浸透している。


ヨーロッパのジュニアが強い理由は「試合環境の豊かさ+長期的視点の指導+日常的な競争と文化」の三本柱です。
特にクレーコート文化と試合の多さはアジアやアメリカとの大きな違いで、12〜14歳での戦術・フィジカル成熟度を大きく引き上げています。

ジュニアテニス育成比較(12〜14歳)

項目ヨーロッパ(例:スペイン、フランス)日本・タイなどアジア
大会環境国内+近隣国で毎週国際レベルの試合。車で移動可能。国内大会数は限られ、国際大会は渡航必須。移動・費用負担が大きい。
コートサーフェスクレー中心+一部ハード・芝。ラリーが長く戦術力・フィジカルUP。ハード中心。ラリーが短くなりやすく、戦術の幅が育ちにくい。
指導方針長期育成型。12〜14歳は技術・戦術理解を磨きながら試合経験増。早期から勝利優先になりやすく、フォームや体づくりが疎かになりやすい。
トレーニングフィジカル+コート練習をバランス。クレーで自然に持久力と柔軟性UP。技術練習中心。フィジカルは限定的で、体の使い方の基礎が遅れがち。
メンタル育成負けを経験として受け入れ、改善点を明確化。負け=ネガティブと捉えがちで、挑戦より守りに入る傾向。
選手層同世代に国際レベルが多数。日常的に強い相手と対戦。国内では同レベルの相手が少なく、競争密度が低い。
サポート制度国や自治体、アカデミーが才能を低コストで支援。個人負担が大きく、サポートはクラブや家族頼み。
海外との距離感海外遠征=隣国レベル。頻度も多い。海外遠征は高額+時間的負担。頻度が限られる。

 

勿論、島国なのでなかなか難しいところもありますが、実現できることも多々あるように思えます。タフに戦える選手が出てきてくれることを祈ります。

 

 

 

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