2018.09.07
日本の9都市で開催されたキャンプ、allout ZERO1 2018でどの会場でも、同じ悩みを持つ多くの保護者の方に質問を受けたので、その内容を下記に記載します。
キャンプ終了後に保護者を含めたカンファレンスで塚田コーチがツアーリングコーチ時代の経験をもとに話していた内容と僕自身の経験も含めて質問形式で答えています。
冬の試合に出ないとポイントの関係で春の試合のシードがつかなくなったり、出場が出来なくる可能性がある場合はどうすればいいですか?
もちろんそれは各家族の判断にもよります。しかし最終的にはテニスの実力をつけなくては勝ち上がる事は難しくなります。
それはなぜ難しいのですか?
例えば目先のトーナメントに出てポイントを取るために出場したとしても勝てる保証はどこにもありません。
しかし選手に実力があってドローNo.2番に入れられても同じレベルできるのであれば別ですが、そのドローを見た瞬間、ここまでかな?なんて想像できてしまうようでしたらポイントの為だけに試合に出場するのはお勧めできません。
確かに勝ちに行くというよりも試合に出場しなければという気持ちが強いかもしれません。でも次の試合に出場できたら良いのでは?
最終的にはどの試合でも予選に入れれば本戦でも勝ち上がっていく実力をつけなくてはいけないのです。
よくアジアのジュニアサーキットでポイントを取りヨーロッパの試合に出場した時、その国のワイルドカードの選手に簡単に負けたりするケースがあります。
ランキングは自分の方が遥かに上なのになぜランキングが全然下位の選手に負けるのですか?
テニスの実力と戦っている土俵が違うのです。
僕もやはりヨーロッパで戦っていて特にレッドクレーではランキングをそこまで持ってない選手にも中々勝つことができなかった。
だけどやはりトレーニングをちゃんと積んでいったり、その環境で戦うことによって順応して、身体や心、目が慣れてきて戦えるようになりました。ようはたとえ裏技でランキングを上げたとしてもその舞台で戦う実力をつけないとツアーは戦いきれないのです。
ではどのように準備をしたらいいのですか?
その為には1年間を戦い抜く為のキャンプは必ず必要になります。テニスは年間を通じて試合がある為にどうしても時間をかけた技術練習やフィジカルトレーニングができません。しかし長いプランで強化を考えると時間をかけて練習に取り組む事はとても重要になってきます。
試合で学ぶことは沢山あります。しかし、むやみに出場しても練習不足や体力の低下に陥るだけです。ですので僕も3〜4週の試合が続くと最低2〜3週間のトレーニング期間を設けていました。心も身体もリフレッシュ、そして新たに力をつけてまた試合でチャレンジするようにしていました。目的を持って試合に出場することがとても大切です。
最後に、最終的に何が必要になるのですか?
目的を持って試合に出場するということで、思い出したのですが以前に奈良くるみ選手のツアーリングコーチ、原田コーチがこんなことを言っていました。
WTAツアーの一つ下のグレードであるITFの女子の試合を日本で観てきました。労力にしたらどのレベル、上も下も変わらないですね。どうせだったら上のレベルで実力つけながら消耗したいですね。
どの大会でも準備を含めて勝つ為の労力は変わらないね。どのレベルの大会も目的を持って臨まないといけない。上の大会だけ出ていて勝てなければランキングは落ちるし。奈良選手は目的を持って臨めてることがランキングの維持にも繋がってる。大きな大会に来たときに勝ちきれる準備をどんな大会でもどんな環境でも変わらずにできるのがプロフェッショナルだね。
少し内容と外れるかもしれませんが、目的を持って出場することの大切さは伝わったと思います。
テニスの実力を上げて向上する事です。目先の小さな事に拘らず実力をつけた選手が将来試合に勝つことができそして評価される時代になるでしょう。
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この記事を書いたコーチ
- Written by Hideki Kaneko
- 以前はプロテニス選手でした。2004年シンガポール、2005年タイでスポーツ事業を始めました。二児の父親となり、娘の名前は「好・はお」と「歌・うた」中国語のニーハオからとったのと、誰からも親しまれる歌であって欲しいそんな願いを込めました。